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選挙と株価の関係~2026年の米中間選挙と米国株~
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選挙と株価の関係~2026年の米中間選挙と米国株~

SUMMARY

本記事では、米中間選挙と米国株式市場の関係について解説します。

米中間選挙とは

今年11月3日に、米国で中間選挙が実施されます。これは、トランプ大統領の任期後半の政策運営に直接影響し、税制、通商、規制等の方向性を占う重要な節目です。政策の持続性を見極めるうえで、今後は中間選挙への関心が一段と高まっていくとみています。

中間選挙とは、大統領選挙の2年後(任期の中間)に行われる連邦議会選挙です。中間選挙では上院(全100議席)の約3分の1(通常33議席、2026年選挙は35議席)、下院の全435議席が改選されます。現在の上院は共和党53、民主党45、無所属2(いずれも民主党会派)です。下院は共和党218、民主党213(欠員あり)となっています(※欠員等により変動する可能性があります)。このように大統領と上下両院を同一政党が主導する状態は、一般に「トリプルレッド」などと呼ばれます。もし今回の中間選挙で野党・民主党が上院・下院のいずれかで過半数を獲得すれば、トランプ大統領の任期後半において野党の影響力が高まることが想定されます。政策実行における法案審議や優先順位の見直しが生じ、政策運営に影響を及ぼす可能性があるでしょう。

中間選挙では現職大統領が所属する政党が議席を減らす傾向

中間選挙には大統領の「信任投票」という側面があり、そのため与党は議席を減らす傾向があります。全議席が改選される下院でこの傾向が強くみられ、トランプ大統領の第1期中に行われた2018年の中間選挙では、今回と同様にトリプルレッドの状態で中間選挙を迎えましたが、結果は下院で野党・民主党が多数党となり、いわゆる「ねじれ議会」となりました。今回の中間選挙では、上院は与党・共和党が優位との見立てが強い一方、下院はきっ抗するとの予測があります。

主要世論調査の平均では、トランプ大統領の支持率は2026年1月19日時点で42.5%と低迷しており、歴代大統領の中でも支持率が低い状況です。トランプ大統領は、支持率を上げるために物価高対策や政策の経済効果をアピールする可能性があります。具体的には、関税収入の一部を家計に還元する現金給付などの案が取り沙汰されています。もっとも、施策の実行規模や内容次第では財政懸念や貿易摩擦再燃が意識され、市場のボラティリティが高まる可能性がある点には留意が必要でしょう。

米国の選挙と株価のアノマリー

米国の株式市場には、「理論的には説明できないものの、経験則として高い確率で発生する相場の歪みや規則性」(アノマリー)が存在します。具体的には、「中間選挙の年は株価が相対的に軟調に推移し、その翌年(大統領選挙の前年)は株価が上昇しやすい」というものです。実際、1980年~2025年の46年間の米国株(S&P500指数)の年間騰落率をみると、中間選挙の年の平均騰落率は+3.3%と46年間の平均+10.7%を下回っており、米国株の上値が重い年とみることができます。一方、中間選挙の翌年の平均騰落率は+16.5%と46年間の平均を上回っています。選挙前は政策の不確実性から市場で様子見ムードが広がりやすいものの、選挙の結果が明らかになるにつれて先行き不透明感が和らぎ、投資家が再びリスクを取りやすくなるとみられます。また、中間選挙の翌年は、選挙を経て政策方針が明らかになるほか、現職大統領が翌年の大統領選挙を見据えて景気刺激策に前向きになりやすいことも、株価上昇の背景として挙げられるかもしれません。

また、中間選挙の年におけるS&P500指数の平均推移(1980年以降)をみると、10月頃を底に持ち直す傾向があることが分かります。これは、選挙直前までに悪材料が織り込まれやすいことや、翌年の景気浮揚策への期待が高まるタイミングであることが一因と考えられます。ただ、この動きは中間選挙の年に限らず、秋口にかけて弱含み年末にかけて上昇する米国株の季節性とも重なるため、両要因を併せて勘案する必要があるでしょう。

足元では、米連邦準備理事会(FRB)が昨年9月に利下げを再開して以降の動向や、AI関連の投資の過熱感に対する警戒感等が注目され、中間選挙は現時点ではさほど材料視されていないようです。ただ、11月3日の中間選挙が近づくにつれ、政策の方向性などが新たな不確実性として意識され、相場のボラティリティが一時的に高まる可能性があるでしょう。選挙の行方そのものに一喜一憂するよりも、選挙結果に左右されにくい政策を見極め、その持続性や市場の織り込み状況を検証したうえで、機動的にポジション調整をすることが重要となります。

金融商品取引法に係る重要事項

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