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アクティビストの活発化が日本企業に与える影響は?~アクティビストの動向~
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アクティビストの活発化が日本企業に与える影響は?~アクティビストの動向~

SUMMARY

本記事では、アクティビストの活発化が日本企業に与える影響について解説します。

近年のアクティビストの動向

アクティビストは「物言う株主」とも呼ばれ、ガバナンスの改善や株主還元の強化、M&A(買収・合併)を通じた事業再編など、多岐にわたる要求により企業価値向上をめざす投資家のことです。2024年には、海外アクティビストによる日本株への新規投資総額が過去最高になるなど、アクティビストの活発な行動がみられます。この背景には、金融庁によるコーポレートガバナンス改革の「実践」に向けた施策や、東証による日本企業への経営改革要請等が挙げられるでしょう。 
 

株主還元拡充の動きを背景とした企業の自社株買いが日本株相場を下支えか

2024年度は自社株買いや配当金支払いが拡大しており、アクティビストによる働きかけや経営改革の動き等を背景とした国内主要企業の株主還元姿勢の改善がみられます。
 


日本株の投資部門別売買状況をみると、事業法人は2023年1月~2025年7月までの累計で19兆円を超える買い越しとなっています。2024年後半に海外投資家による日本株売りがみられた場面でも、国内企業の自社株買いが日本株相場の下支えになった可能性があるでしょう。また、2025年についても、国内企業による自社株買いの実施が期待され、引き続き相場の下支え要因になることも考えられます。
 

アクティビストの動きは親子上場の解消やM&Aも後押しか

毎年6月に集中する株主総会では、アクティビストによる株主提案が成立するか否かも、株価動向の材料になることがあります。アクティビストによる働きかけとして、株主還元のほか、親子上場の解消やM&Aによる事業再編の動き等が注目されます。

近年では、グループ全体の財務状況の安定化やガバナンス強化等を目的として、親子上場の解消が増えているようです。また、2025年2月に東証が「親子上場等に関する投資者の目線」を公表するなど、親子上場企業に対してグループ経営や少数株主保護に関する取り組み、開示の強化を求める動きがみられています。

M&Aに関しては、足元では、米政権の関税政策をめぐる不透明感や世界的な景気減速への懸念から、企業が慎重になる可能性はあるものの、収益向上のための非中核事業等の切り離しや、国内大手企業による業界再編の動きは今後も続くとみられます。

このように、アクティビストの活発化により、株主還元拡充やM&A等が増加し、企業の資本効率の改善や収益力向上といった経営改革が進展することが期待されます。これを受けて、今後さらに日本企業が再評価されていくかどうか、引き続き注目されます。

金融商品取引法に係る重要事項

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