SUMMARY
「子どもの結婚費用」について考えてみましょう。子どもの門出に際し、いくらかでも援助してあげたい、とお考えの親御さんも多いのではないでしょうか。
今回は、結婚費用の目安や親からの援助額、結婚資金やご祝儀にかかる税金について紹介します。
結婚費用の総額は、平均で415.7万円
ゼクシィ結婚トレンド調査2023によると、結納・婚約から新婚旅行までにかかる費用の総額は415.7万円(推計値)です。
全国 (推計値) |
首都圏 | 東海 | 関西 | |||
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結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用 総額(推計値) ※1 |
415.7 | 456.9 | 421.5 | 412.1 | ||
項目別平均額※2 | 結納式 | 20.6 | 25.6 | 34.0 | 12.1 | |
両家の顔合わせ | 6.7 | 6.9 | 5.4 | 8.0 | ||
婚約指輪 | 38.2 | 43.3 | 38.4 | 39.4 | ||
結婚指輪(二人分) | 28.1 | 30.8 | 28.9 | 27.2 | ||
挙式、披露宴・ウエディングパーティーの総額 | 327.1 | 356.3 | 332.5 | 322.4 | ||
新婚旅行 | 43.4 | 53.4 | 42.0 | 42.4 | ||
新婚旅行土産 | 5.9 | 5.4 | 6.1 | 6.2 |
- 「項目別平均額」に掲載している平均額にそれぞれの実施・購入者の割合を乗じて調査対象全体における平均額を算出し、それらを合計して総額を推計しています(仲人への御礼総額は含まれていない)。
- 「結納・婚約から新婚旅行までにかかった費用 総額」の算出時に用いた各項目の平均額を掲載していますが、これは結納・会場費および両家の顔合わせ・会場費については実施した人の、その他の項目については費用の発生した人の平均額であり、各項目の平均額の合計は、「結納・婚約から新婚旅行までにかかった費用 総額」とは一致しません。
結納金・結納品、結納返しの費用
結納をするときは、会場や食事のほか、結納金・結納品、結納返しにお金がかかります。新郎側から新婦側に贈る「結納金・結納品」の平均額は合計で125.9万円、「結納返し」の平均額は61.3万円です。
(表2) 結納金・結納品と結納返しの平均額(単位:万円)
結納金・結納品 | 結納返し(現金・品物) | ||
---|---|---|---|
結納金 | 97.3 | 結納返し:現金 | 36.4 |
結納品 | 28.6 | 結納返し:品物 | 24.9 |
計 | 125.9 | 計 | 61.3 |
親または親族からの援助額は、平均で181.1万円
結婚時に親や親族(祖父母など)から資金を援助してもらった人の割合は78.7%、援助額は平均で181.1万円です。結婚にかける費用、援助の有無や金額は人によって異なるため、一概には言えないものの、データ上は結婚費用の約4割を、親や親族が援助しているということです。
次に援助総額の分布をみてみましょう。
(表3) 親または親族からの援助総額の分布(全国の推計値)
援助総額 | 全体に占める割合 |
---|---|
100万円未満 |
18.5% |
100 ~ 200万円未満 | 35.7% |
200 ~ 300万円未満 | 27.3% |
300 ~ 400万円未満 | 10.8% |
400 ~ 500万円未満 | 4.5% |
500 ~ 600万円未満 | 2.3% |
600 ~ 700万円未満 | 0.8% |
700 ~ 800万円未満 | 0.0% |
800 ~ 900万円未満 | 0.1% |
900 ~ 1,000万円未満 | 回答者なし |
1,000万円以上 | 回答者なし |
- 親または親族から援助があった人のうち、金額回答者のみ集計(単一回答)
- 結婚費用は、結納、挙式、披露宴・ウエディングパーティー、二次会、新婚旅行を指します。
- 小数点以下第2位を省略しているため、表中の数値の合計は一致しません。
最も多い金額帯が100万円以上200万円未満で全体の35.7%、次いで200万円以上300万円未満の同27.3%であり、全体の81.5%を300万円未満が占めています。
平均で100万円を超える結婚費用の援助ですが、「年間110万円超の金銭授受には贈与税がかかる」という話を聞いたことがある方は多いと思います。
結婚資金の援助やご祝儀にかかる税金について見ていきましょう。
結婚資金の援助やご祝儀に贈与税はかかるの?
直系尊属である両親や祖父母から資金援助を受けた場合、基礎控除(年間110万円)を除いた金額に対して贈与税がかかります。
しかし、結婚資金の援助については「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度(2025年3月31日まで)」を利用することができ、次の(1)から(3)の要件を満たし、金融機関等で所定の手続き(結婚・子育て資金非課税申告書の提出等)をすると300万円まで非課税になります。
- 受贈者が18歳以上50歳未満の子や孫であること
- 受贈者の前年の合計所得金額が1,000万円以下であること
- 贈与者が直系尊属(受贈者の父母や祖父母など)であること
この非課税制度は、資金の用途が結婚や子育てに関するものに限定されています。非課税対象ではない費目で資金を使った場合や、贈与を受けた資金を貯蓄や投資に回した場合などは課税されます。
非課税の対象となる費目 | 非課税の対象とならない費目 | |
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婚礼に関する費用 | 会場代、衣装代、飲食代、引き出物代、写真・映像代、演出代、装飾代、ペーパーアイテム、人件費など 挙式や披露宴の開催に必要な費用※ ※入籍日の1年前以降の支払 |
結婚情報サービスの利用など婚活に要する費用、両家顔合わせ・結納式に要する費用、指輪代、エステ代、交通費・宿泊費、新婚旅行代 |
家賃等に関する費用 | 賃料、敷金、共益費、礼金、仲介手数料、契約更新料など 結婚を機に受贈者が新たに物件を賃借する際に要する費用※ ※入籍日から1年前後以内に受贈者名義で契約した賃貸借契約 ※契約日から3年以内の支払 |
地代、光熱費、家具・家電など設備購入費 |
引越しに関する費用 | 結婚を機に受贈者が新たな物件に転居するための引越し費用※ ※入籍日の1年前後以内の引越し |
不用品の処分代、引越しのためのレンタカー代、友人に頼んだ場合の費用 |
結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与は、以下のいずれかの状況になった際に非課税ではなくなります。
- 結婚・子育て資金管理契約の契約期間中に贈与者が死亡した場合
- 贈与を受けた資金を使い切った場合
ご祝儀の税金について
ゼクシィ結婚トレンド調査2023によると、結婚式等で受け取るご祝儀の総額は平均で197.8万円です。
平均額で贈与税の基礎控除額である年間110万円を超えるご祝儀ですが、ご祝儀は贈与税がかからない財産に分類されているため、原則として非課税です。ただし、金額は「社会通念上相当と認められるもの」とされていますので、一般的な相場からかけ離れた金額(例えば孫へのご祝儀として数百万円を包むなど)のご祝儀は贈与税の対象になります。
ポイント
結婚に対する意識や結婚の時期は、人によってさまざまです。教育費などと比べて、結婚資金の計画は難しいものです。将来的に結婚資金を援助したいと考えている場合は、教育費のめどがついたあとなど、できるだけ早い段階から資金計画を立てると良いでしょう。