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米国株投資におけるドル円変動の影響 ~株価変動に比べてドル円変動の影響は限定的~
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米国株投資におけるドル円変動の影響 ~株価変動に比べてドル円変動の影響は限定的~

SUMMARY

本記事では、ドル円の変動が米国株投資の円建てリターンにどれほど影響を与えるか解説します。

米国株投資のリターンを三つの要因に分解

米国株投資では、為替(ドル円)変動リスクも考慮する必要があります。株価が上昇しても円高ドル安が進むと為替差損が発生しますし、逆に株価が下落しても円安ドル高による為替差益で株価の値下がりをカバーできる場合もあります。では、ドル円の変動は米国株投資の円建てリターンにどれほど影響を与えるでしょうか。これを調べるために、2000年以降の毎月末に米国株を買い付けて1年間運用したと仮定した場合の円建てリターンを算出しました。そして、そのリターンを配当要因、株価要因、為替要因等に分解し、下図に示しました(データは24年12月末まで)。
 

米国株投資の円建てリターンに対するドル円変動の影響は株価に比べて小さかった

2000年以降の円建てリターンは平均11.5%でしたが、このうち、株価要因は同7.2%、為替要因は同1.9%でした。米国株投資の円建てリターンに対するドル円変動の影響は株価に比べて小さかったことが分かります。また、投資期間を3年間、5年間と延ばすと、為替要因は平均1.0%、同0.6%とさらに小さくなることもみてとれます。
 

株価とドル円のボラティリティや方向感の違いが影響

為替要因の影響が株価要因に比べて小さいのは、ドル円の方がボラティリティ(変動率)が小さいことが理由として挙げられます。また、投資期間が長い方が為替要因の影響が小さくなるのは、長期的にみると株価は米国の経済・企業業績の拡大を反映して上昇してきた一方、ドル円は日米のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の相対評価等で決まるため、米国株に比べて方向感が出にくかったためと考えられます。
 

2025年は米国株上昇、円高ドル安に振れるとの見方が多い

市場参加者の間では、2025年に米国株(S&P500指数)は上昇する一方、ドル円レートは24年末比で円高ドル安に振れるとの見方が多いようです(いずれも25年2月18日時点のブルームバーグによる市場予想集計に基づく。)。米国株とドル円が市場参加者の見立て通りに推移すれば、25年は為替要因が米国株投資のリターンを悪化させることになります。ただ、株価とドル円のボラティリティや方向感の違いを踏まえれば、米国株投資では、為替変動の影響に留意しつつ、経済や企業業績の長期的な成長に着目することが重要といえるでしょう。

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