資産は円だけで大丈夫?外貨建て資産・現物資産を考える
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資産は円だけで大丈夫?外貨建て資産・現物資産を考える

SUMMARY

外国為替市場における円の価値は常に変動しています。日本経済の不透明さや人口減少など考慮すると、「円」以外の資産をいくらか持つという選択も考えられます。この記事では、外貨建ての金融商品や、金やプラチナといった現物資産の特徴を解説します。

円だけじゃない 世界の資産に目を向けてみる

多くの日本人にとって「お金」といえば「円」です。保有している金融商品は、ほとんどが“円建て”であるという方も多いのではないでしょうか。

しかし、「円」は常に一定の価値があるのでしょうか?
答えはNOです。

「円」の価値は、為替変動やインフレ動向等により、世界の通貨に対して、あるいはモノの価値に対して、常に変動しています。

「円」は世界からみると“安全通貨”と言われることがありますが、日本経済の先行きが不透明な中、将来にわたって常に安全通貨でいられるかはわかりません。

経済の指標となるGDP(国内総生産)と人口は密接な関係にあると言われていますが、世界の人口は増え続けている一方、日本ではますます少子高齢化が進み、人口が徐々に減少してきています。日本の経済的な成長力が将来低下することも視野に入れ、「円」以外の世界の資産も持っておくことは、これからの時代の資産運用では重要だと言えるかもしれません。
(注)2015年までは実績、15~64歳人口は年齢不詳人口をあん分補正して含めた数値に基づく。16年以降は、「日本の将来推計人口(平成29年推計)」における中位推計値
出所:国立社会保障・人口問題研究所、総務省のデータよりみずほ証券作成

では、世界の資産にはいったいどのような種類があって、どこで買えるのでしょう?
個人が買える代表的なものを見ていきましょう。

世界の資産って何がある?

外貨といえば世界の基軸通貨である「米ドル」が浮かびます。他にも「ユーロ」「ポンド」「豪ドル」など国によってさまざまな通貨があります。

円以外で取引される株式や債券などは「外貨建て」の金融商品と言います。外貨建てで運用できる金融商品には主に以下のような種類があり、それぞれ特徴があります。
 

外貨建ての金融商品等に投資するときにはまず円を外貨に交換してから商品を買うことが一般的で、国内の金融商品に投資するよりも費用が多くかかる傾向があります。また、外貨建ての金融商品は投資を判断するうえでの情報も少ないため、結果として投資に二の足を踏む方もいるのではないでしょうか。

「自分で投資する商品を選ぶのは難しいけど挑戦してみたい!」と思ったら、海外の株式や債券などに投資する「投資信託」を利用するのが良いのではないでしょうか。投資信託の運用(投資対象の選定や銘柄の入れ替えなど)はプロである運用会社が行います。また、まとまった資金を用意しなくても少額から投資を始めることができます。

海外の株式に投資する投資信託には、誰もが知っているような世界的な企業にも間接的に投資できる魅力があります。

「アクティブファンド」はベンチマーク(インデックス)を上回る利益を追求するのに対して、海外株式の指標に連動するように設計された「インデックスファンド」は、購入時の手数料が無料のものや、保有期間中のコストが低いものもあります。長期的な資産形成の選択肢としてリスクやコストをできるだけ抑える運用を検討してみてはいかがでしょうか。

金・プラチナ…無価値にならない資産

国や企業が発行している通貨や株式などとは違い、金やプラチナなどそれ自体に価値のあるものは、通貨や株式の価格変動の影響を受けにくいと考えられています。「有事の金」と言われるように、戦争や恐慌などの混乱が起きた際に、金やプラチナの価格が上昇することは珍しくありません(実は金よりもプラチナの方が希少性が高く、また、取引量が少ないため価格変動が激しい傾向にあります)。

金やプラチナなどの現物資産は、リターンをねらうというよりはリスク回避や守りのための投資先と言えるでしょう。金の延べ棒をいきなり買うことはないかもしれませんが、純金積立や、金価格に連動する投資信託・ETF(上場投資信託)などを通じて、直接的または間接的に金に投資することができます。

外貨建て取引を行う有利なタイミングは?

外貨建ての金融商品や資産は、一般的に、円高のときに購入し、円安のときに売却すると為替のリターンは大きくなります。

一方で、外貨建て投資信託や資産にはそれぞれの価格変動があるため、「円高だが投資したい金融商品の価格が高くなっている」場合や、「円安だが投資した金融商品の価格が安くなっている」場合、為替の状況のみをもって判断することはできません。投資の際は為替だけでなく、投資する金融商品の価格もしっかりチェックすることが大切です。

みずほ証券からの
ひとこと

世界に目を向けてみると、投資先の選択肢が広がります。一方、為替変動リスクやカントリーリスク(投資対象国固有のリスク)などに注意する必要もあります。

投資を始めたばかりだと、外貨建て金融商品への投資はハードルが高いと感じるかもしれません。そのようなときは、証券会社などの信頼できる専門家に相談してみると良いかもしれません。


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