SUMMARY
経済ニュースで「Fed」「FRB」「FOMC」といった言葉を見聞きしたことがあると思います。これらは米国の中央銀行制度に関連したもので、「Fed」が中央銀行制度、「FRB」がFedを運営する機関(理事会)、「FOMC」がFRBが開催する会合を指します。
この記事では、Fed、FRB、FOMCの役割や注目される理由を紹介していきます。
Fed、FRBとFOMCはいずれも米国の「中央銀行制度」関連の用語
Fed
連邦準備制度(Federal Reserve System)を指します。「Federal」の頭3文字をとって、“Fed”や“The Fed”と呼ばれるのが一般的です。連邦準備制度は、連邦準備制度理事会(FRB)、連邦公開市場委員会(FOMC)をひとまとめにした米国の中央銀行制度の総称です。
FRB
米国の連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)の略です。この理事会は全米に12ある連邦準備銀行とともに、さまざまな米国の金融政策を決定します。
FOMC
連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)の略で、FRB(連邦準備制度理事会)が定期的に開く会合のことです。FRBの理事と連邦準備銀行の総裁5人が出席します。年8回開かれ、金利の誘導目標などが話し合われます。
日本や英国の中央銀行は、それぞれ日本銀行やイングランド銀行単体ですが、米国では12の連邦準備銀行の集合体です。
連邦準備銀行は、ボストン(マサチューセッツ州)、ニューヨーク(ニューヨーク州)、フィラデルフィア(ペンシルベニア州)、クリーブランド(オハイオ州)、リッチモンド(バージニア州)、アトランタ(ジョージア州)、シカゴ(イリノイ州)、セントルイス(ミズーリ州)、ミネアポリス(ミネソタ州)、カンザスシティ(ミズーリ州)、ダラス(テキサス州)、サンフランシスコ(カリフォルニア州)の各連邦準備銀行で構成されています。
米ドルはこの連邦準備銀行が発行しており、どの連銀が発行した紙幣かは、印刷されたアルファベット記号(AからL)を見ると分かります。
FRBのメンバーは?
連邦準備制度理事会(FRB)は7人の理事によって構成され、議長は大統領が指名します。2024年3月時点で、FRBの議長はジェローム・パウエル氏(第16代)です。過去には、ジャネット・イエレン氏(第15代)、ベン・バーナンキ氏(第14代)などが務めました。
パウエル氏は、ブッシュ政権時代に財務次官補(国内金融担当)、財務次官を務めたのち、FRBの理事を経て2018年に議長に就任。現在2期目を務めています。
パウエル氏は、ブッシュ政権時代に財務次官補(国内金融担当)、財務次官を務めたのち、FRBの理事を経て2018年に議長に就任。現在2期目を務めています。
FRBの役割は?
FRBの役割は、「最大限の雇用」と「物価の安定」という二つの使命(デュアル・マンデート)を果たすため、さまざまな金融政策を駆使することです。
例えば、「利上げ・利下げ」を行うか、行うとしたら目標を何%にするかを決めるのがFRBであり、その会合がFOMCです。
ここでいう利上げ・利下げの対象となる金利は「フェデラル・ファンド・レート (FF金利) 」です。米国の場合、民間の銀行はフェデラル・ファンド(準備預金)を連邦準備銀行に預けなければなりません。フェデラル・ファンド自体は無利息です。このときの民間銀行同士の貸し借りの金利がFF金利と呼ばれます。「利上げ」とはFF金利の誘導目標を上げるということです。
民間銀行同士の貸し借りの金利を、中央銀行であるFRBがどのように上げるのでしょうか。FRBは民間銀行に「何%でお互いに貸し借りしなさい」と強制できないので、出回っているお金の量を調整することで間接的にFF金利が上がるように誘導します。利上げの際に、「金利の誘導目標を0%~0.25%から0.25%~0.50%に引き上げた」というような言い方をするのはこのためです。
例えば、「利上げ・利下げ」を行うか、行うとしたら目標を何%にするかを決めるのがFRBであり、その会合がFOMCです。
ここでいう利上げ・利下げの対象となる金利は「フェデラル・ファンド・レート (FF金利) 」です。米国の場合、民間の銀行はフェデラル・ファンド(準備預金)を連邦準備銀行に預けなければなりません。フェデラル・ファンド自体は無利息です。このときの民間銀行同士の貸し借りの金利がFF金利と呼ばれます。「利上げ」とはFF金利の誘導目標を上げるということです。
民間銀行同士の貸し借りの金利を、中央銀行であるFRBがどのように上げるのでしょうか。FRBは民間銀行に「何%でお互いに貸し借りしなさい」と強制できないので、出回っているお金の量を調整することで間接的にFF金利が上がるように誘導します。利上げの際に、「金利の誘導目標を0%~0.25%から0.25%~0.50%に引き上げた」というような言い方をするのはこのためです。
FRBが注目される理由
FRBの動向が世界から注目される理由は、米国の金融政策が世界中の株価や為替に影響を与えるためです。
例えば米国がFF金利の誘導目標を引き上げると、民間銀行が米国企業に貸し出す際の金利も上昇すると考えられます。すると企業の借入金の負担が増し、業績が悪化、株価の下落を招く可能性があります。これが米国の個人消費の悪化につながり、貿易相手側の企業業績を悪化などを通じてその国の株価にも影響を及ぼすと考えられます。
グローバル化が進んだ今、米国の金融政策が他の国に与える影響はより大きくなっていると言えるでしょう。
例えば米国がFF金利の誘導目標を引き上げると、民間銀行が米国企業に貸し出す際の金利も上昇すると考えられます。すると企業の借入金の負担が増し、業績が悪化、株価の下落を招く可能性があります。これが米国の個人消費の悪化につながり、貿易相手側の企業業績を悪化などを通じてその国の株価にも影響を及ぼすと考えられます。
グローバル化が進んだ今、米国の金融政策が他の国に与える影響はより大きくなっていると言えるでしょう。