SUMMARY
利回りの考え方には単利と複利の2種類があります。
本記事では、資産運用において重要なキーワードの一つである単利と複利の違いや、複利効果が期待できる運用方法を解説します。
単利・複利とは
投資をする際に必要な元手となる資金のことを元本といいます。単利は、元本のみに利子が発生する考え方で、利子が当初の元本に対してどのような割合なのか計算するものです。一般に、1年当たりの割合(年利)で求められます。一方、複利は、発生した利子を元本にその都度組み入れ、その増えた元本に対する利子を計算していきます。このため、運用する元本は利子が発生するたびに増えていくので、運用する期間が長くなるほど利子が増えていく計算になります。
資産運用において、単利運用と複利運用はどちらが有利でしょうか。
具体例として元本100万円を年利5%で5年間運用した場合で比較してみましょう。
単利の場合、元本に対してのみ一定の利子がつくため、毎年の利子は50,000円で、この金額は運用期間中変わりません。
一方、複利の場合は、発生した利子を組み入れた分に対しても利子がつくため、元本と利子が年々増えていきます。
運用期間 | 単利の場合の利子累計額 | 複利の場合の利子累計額 | 差額 |
---|---|---|---|
1年 | 50,000円 | 50,000円 | 0円 |
2年 | 100,000円 | 102,500円 | 2,500円 |
3年 | 150,000円 | 157,625円 | 7,625円 |
4年 | 200,000円 | 215,506円 | 15,506円 |
5年 | 250,000円 | 276,281円 | 26,281円 |
このように、元本が増え続ける複利の考え方が資産を増やしていくのに効果的ということがわかります。さらに長期投資をすることで、より効果を得ることが期待できます。
- 価格変動商品における将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
複利効果を期待する資産運用を心掛けましょう
資産運用するうえで、複利効果を享受することが大切なポイントであることが分かりました。
NISAの活用
NISA口座での投資による運用益や配当等は非課税です。そのうち、「つみたて投資枠」は、少額からの長期・積立・分散投資を支援するためのものです。「つみたて投資枠」の対象商品にはいくつかの基準がありますが、その基準の一つに分配金が毎月分配ではないことです。分配しない商品は、運用益を元本に組み入れて再投資するため、基準価額が上がれば複利効果が期待できます。
iDeCoの活用
iDeCoは、公的年金に上乗せして任意で加入できる年金制度です。毎月の掛金を設定して、ご自身で選んだ金融商品で運用し、その運用成果を原則60歳以降に受け取ります。
対象となる金融商品には、分配金や運用益を期待できる投資信託等があります。iDeCoは原則として60歳になるまで解約ができないため、分配金や運用益はそのまま再投資されます。
この再投資された金額は元本に組み入れ複利運用が期待されます。翌年以降も同様の効果があり長期間運用することでより効果的に資産が増加する可能性があります。
また、NISAと同様にiDeCoも運用益が非課税となるため、得た分配金をそのまま再投資することができます。
このように、NISAの「つみたて投資枠」もiDeCoも、長期運用を前提としているため複利効果を得ることが期待できます。
また、金融庁が簡易的な資産運用のシミュレーションツールを提供していますので、複利効果で資産を増やすイメージを持つことや資産運用のプランニングに役立ちます。
複利の仕組みを理解し、効果を最大限に活かしながら資産運用に取り組みましょう。