ファンドラップとは?
ファンドラップとは、証券会社など金融商品取引業者(以下、金融機関)が、投資家の資産運用の目標(ゴール)、リスク許容度に応じて複数のファンド(投資信託)を組み合わせた資産配分を提案し、運用、管理、見直しまでを総合的に提供する投資一任契約による資産運用サービスです。「ラップ(WRAP)」とは「包む」という意味で、資産運用に関するさまざまなサービスを包括的に行うことから、この名前が付けられました。
「退職金の運用方法が分からない」と悩まれているシニア世代から、「忙しくて資産運用に時間を割けない」というビジネスパーソン、「知識あるプロに任せたい」という投資ビギナーまで、幅広い層でファンドラップの需要は拡大しています。実際に国内金融市場におけるファンドラップ契約件数・口座残高は年々増加しており、今後は日本の資産運用において、より重要な位置づけになることが予想されます。
ファンドラップの魅力
ファンドラップの魅力のうち、代表的なものを3つ紹介します。
資産の運用をプロにお任せできる
ファンドラップでは、専門的な知識が必要となる投資信託の選定や売買のタイミング、資産配分の調整などを、金融機関の運用のプロに任せることができます。自分ですべてを管理するのは難しく、運用や見直しをプロに任せたい方に適したサービスです。
自分に合ったポートフォリオを構築できる
ファンドラップには、期待リターン・推定リスクの異なる複数の運用コースが用意されており、投資家は、自身の資産運用の目標(ゴール)やリスク許容度に合ったポートフォリオを選べます。運用目的やライフイベントに変化が生じたときは、契約後でも運用コースの変更が可能です。
手軽に分散投資ができる
ファンドラップに組み入れる投資信託は、一般的に、国内外の株式、債券、REIT、コモディティなど、さまざまな商品に投資します。そのため、ファンドラップを契約することで、手軽に分散投資ができます。
投資のリスクを抑えるには、複数の値動きが異なる資産を組み合わせる分散投資が有効ですが、実現するためには、各資産の値動きの特徴を理解しなければなりません。しかし、ファンドラップであれば、資産配分だけでなく、運用中の資産の見直しについてもプロに任せられます。
ファンドラップのリスク
以上のように、ファンドラップには多くの魅力がありますが、資産運用である以上、リスクも存在します。
元本保証ではない
ファンドラップは、複数の投資信託で運用するため、基準価額の値動きによっては投資元本を下回る可能性があります。プロが運用するからといって、必ずしも期待リターン通りに運用できるとは限らないことを理解しておく必要があります。
ファンドラップと投資信託の違い
ファンドラップは、複数の投資信託を個別に購入する場合と比べて、多くの面で違いがあります。
複数の投資信託を個別に購入する場合と、ファンドラップでは、まず
投資する投資信託の選定や配分の決定方法が異なります。個別購入では、投資家が自分で投資信託を選び、各投資信託への資産配分も決める必要がありますが、ファンドラップでは、複数のポートフォリオ(
運用コース)の中から自身の投資意向に合ったものを選択するのみで、具体的な投資信託の選定や資産配分の決定は運用のプロが行います。
次に、
運用後の管理や見直しにも違いがあります。個別購入では原則として投資家自身が各投資信託の運用状況を確認しながらポートフォリオの見直しを行うのに対し、ファンドラップでは、プロが運用状況に応じて資産配分や銘柄の見直しを定期的に行います。投資家の投資方針やリスク許容度等に変更があった場合は、運用コースの見直しなどを行えます。
また、ファンドラップには、サービスを提供する金融機関によって、相続時受取人指定特約や、定期的な払い戻し、利益確定、損失拡大を防ぐ自動売却機能といった、個別購入にはない付帯サービスが提供されていることがあります。
※金融機関・サービスによって、付帯サービス、コストは異なります。
コスト面では、ファンドラップは組み入れた投資信託の運用管理費用に加えて、投資一任契約に基づく報酬など、投資信託を個別に購入する場合にはかからない手数料が必要です。
また、投資信託は基本的に1万円程度の少額から始められますが、ファンドラップの最低契約金額は、500万円や1,000万円など、個別の投資信託と比較すると高めに設定されています。(金融機関等によっては、少額から契約できるファンドラップを提供していることもあります。)
ファンドラップはこんな方におすすめ
ファンドラップは、日々の生活で忙しい方や、投資の専門的な知識に自信がない方、投資でプロの力を借りたいと考えている方などにおすすめです。ファンドラップを契約すると、運用に関する銘柄選定や配分の決定など、専門的な知識を必要とする作業を運用のプロに任せられます。そのため、仕事や家事、育児などで忙しい方は、ファンドラップを利用することで、日々のニュースを追いかけたり、どの銘柄に投資すべきか悩んだりする時間を軽減できます。
自身の資産をプロの知見やノウハウを活用して自身の資産を増やしたい方は、ファンドラップについて一度検討してみてもよいでしょう。運用のプロが市場の動向を常に分析し、必要に応じてポートフォリオを見直すため、個人の運用では難しい、高度な資産管理が期待できるでしょう。
ファンドラップに関するよくある質問(FAQ)
Q. ファンドラップは、投資初心者でも利用できますか?
A. はい、利用できます。ファンドラップは、運用のプロが投資信託の銘柄選定から運用、見直しまで行うため、初心者の方にも投資可能なサービスと言えるでしょう。
Q. ファンドラップは少額から始められますか?
A. ファンドラップの最低契約金額は、サービスを提供する金融機関によって異なりますが、多くの場合、500万円からや、1,000万円からなど、ある程度まとまった資金が必要になります。ファンドラップごとに異なるため、気になる方は、各金融機関のウェブサイトで調べてみてください。
Q. ファンドラップに元本保証はありますか?
A. いいえ、元本保証はありません。運用実績によっては、投資した元本を下回る可能性があります。
Q. ファンドラップにはどのような費用がかかりますか?
A. 主に投資一任契約に基づく報酬(コンサルティング、ラップの口座管理、資産運用費用)と投資信託の運用管理(信託報酬)費用などがかかります。サービスによって費用体系は異なるため、契約前に必ず確認してください。
Q. ファンドラップと投資信託との違いは何ですか?
A. 投資信託は、投資家自身が投資信託の銘柄選びから資産配分の決定、見直しまでを行うのに対し、ファンドラップは、投資家は運用コースを選択し、各コースのポートフォリオの運用は、金融機関の運用のプロが行います。またファンドラップには、個別投資信託にはない「付帯サービス」が付いている場合もあります。なお、ファンドラップでは、投資一任契約に基づく報酬など、投資信託を個別に購入する場合にはかからないコストがかかります。
Q. ファンドラップの運用益にかかる税金はどのようになりますか?
A. 特定口座(源泉徴収あり)でファンドラップを運用する場合は、税金の計算・納付は金融機関が行いますので、お客さまご自身で確定申告を行うことは原則不要です。
ファンドラップの運用益(売却益や分配金)には、原則として20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税率で税金がかかります
Q. ファンドラップはNISA(ニーサ)で購入できますか?
A. 購入できない場合が多いです(一部の金融機関でNISAの取り扱いをしておりますので、事前に確認ください)。NISAで購入できる商品は、主に株式と、対象の投資信託です。
Q. ファンドラップの最低投資金額はいくらからですか?
A. ファンドラップは、最低投資金額が設定されており、500万円〜1,000万円程度からとしている金融機関が多く見られますが、ファンドラップごとに異なるため、契約前に最低投資金額をご確認ください。
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ファンドラップに関するリスク
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