SUMMARY
日本投資顧問業協会の統計によると、2023年12月末時点で、ラップの契約資産は17兆円を超え、契約件数は162万件に達しています。本記事では、ファンドラップの仕組みやリスクについて解説します。
ファンドラップとは
ファンドラップとは、証券会社など金融商品取引業者が、投資家の資産運用の目標や方針、リスク許容度に応じて複数のファンド(投資信託)を組み合わせた資産配分をご提案し、運用、管理、見直しまでを総合的に提供する投資一任契約による資産運用サービスです。「ラップ(WRAP)」とは「包む」という意味で、資産運用に関する様々なサービスを包括的に行うことから、この名前が付けられました。
ファンドラップと投資信託は何が違う?
ファンドラップでは、投資家の投資方針やリスク許容度に基づいて、複数の投資信託を組み合わせて投資一任契約に基づき証券会社等が運用を行います。ここでは、個別に複数の投資信託を購入する場合との違いに触れながらファンドラップについて解説します。
①投資先選定・配分の決定
個別に投資信託を購入する場合、投資家が自分でどのような投資信託があるのかを調べて購入します。複数の投資信託を購入する場合は銘柄選択に加えて、銘柄ごとの投資金額(配分)も自分で決めることになります。また、購入後の商品の見直し(保有継続や解約など)も、自分で判断します(証券会社の担当者などに相談しながら決めることもできます)。
一方、ファンドラップでは、投資家の意向やリスク許容度に沿って、証券会社等の専門家が、投資信託の選定や配分の決定、運用開始後の見直しまで総合的に行います。投資家は、複数のポートフォリオ(運用コース)の中から投資意向に合ったものを選択します。
②運用・管理・見直し
個別に投資信託を購入する場合、預かり資産状況や各投資信託の「運用報告書」を確認しながら、原則として投資家自身が運用・見直しを行います。一方、ファンドラップでは、証券会社から定期的に運用状況の報告を受け、投資家の投資方針が変わった場合は、それに応じた運用コースの見直しなどを行うことができます。
③付帯サービス
ファンドラップでは、サービスを提供する金融機関によって以下の付帯サービスが提供されている場合があります。
(1)相続時受取人指定特約
投資家が亡くなった場合、あらかじめ指定された受贈者の証券口座へ換金したうえで入金する特約
(2)定期払戻
契約資産から一定額を定期的に換金する
(3)プロフィットロック
あらかじめ指定した水準まで利益が出たときに自動的に利益を確定させる
(4)ロスカット
あらかじめ指定した水準まで評価損が発生した場合に自動的に売却が行われ、損失拡大を抑える
④コスト
一般に、投資信託には「購入時手数料」「運用管理費用(信託報酬)」「信託財産留保額」などのコストがかかります。ファンドラップでは、組み入れた投資信託の運用管理費用に加えて、投資一任契約の報酬(手数料に相当)などがかかります。ファンドラップは、専門家に運用と管理を一任するため、個別の投資信託ではかからないコストが発生する点を理解しておきましょう。詳しくは、契約締結前交付書面などで確認するようにしてください。
①投資先選定・配分の決定
個別に投資信託を購入する場合、投資家が自分でどのような投資信託があるのかを調べて購入します。複数の投資信託を購入する場合は銘柄選択に加えて、銘柄ごとの投資金額(配分)も自分で決めることになります。また、購入後の商品の見直し(保有継続や解約など)も、自分で判断します(証券会社の担当者などに相談しながら決めることもできます)。
一方、ファンドラップでは、投資家の意向やリスク許容度に沿って、証券会社等の専門家が、投資信託の選定や配分の決定、運用開始後の見直しまで総合的に行います。投資家は、複数のポートフォリオ(運用コース)の中から投資意向に合ったものを選択します。
②運用・管理・見直し
個別に投資信託を購入する場合、預かり資産状況や各投資信託の「運用報告書」を確認しながら、原則として投資家自身が運用・見直しを行います。一方、ファンドラップでは、証券会社から定期的に運用状況の報告を受け、投資家の投資方針が変わった場合は、それに応じた運用コースの見直しなどを行うことができます。
③付帯サービス
ファンドラップでは、サービスを提供する金融機関によって以下の付帯サービスが提供されている場合があります。
(1)相続時受取人指定特約
投資家が亡くなった場合、あらかじめ指定された受贈者の証券口座へ換金したうえで入金する特約
(2)定期払戻
契約資産から一定額を定期的に換金する
(3)プロフィットロック
あらかじめ指定した水準まで利益が出たときに自動的に利益を確定させる
(4)ロスカット
あらかじめ指定した水準まで評価損が発生した場合に自動的に売却が行われ、損失拡大を抑える
④コスト
一般に、投資信託には「購入時手数料」「運用管理費用(信託報酬)」「信託財産留保額」などのコストがかかります。ファンドラップでは、組み入れた投資信託の運用管理費用に加えて、投資一任契約の報酬(手数料に相当)などがかかります。ファンドラップは、専門家に運用と管理を一任するため、個別の投資信託ではかからないコストが発生する点を理解しておきましょう。詳しくは、契約締結前交付書面などで確認するようにしてください。
個別に複数の投資信託を購入 | ファンドラップサービスを利用 | |
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① 投資する投資信託・資産配分の決定 |
投資家が自ら投資信託を選定し、配分を決定 | 投資家は運用コースを選択。サービスを提供する金融機関(運用の専門家)が投資する投資信託を選定し、配分を決定。 |
② 運用・管理・見直し |
投資家が自ら運用状況を確認し、管理・見直し | 投資家の意向を基に、金融機関が運用コースを管理・見直し。定期的に運用報告書等を作成。 |
③ 付帯サービス |
なし | ・相続時受取人指定特約 ・定期払戻 ・プロフィットロック ・ロスカット など |
④ コスト |
・購入時手数料 ・運用管理費用(信託報酬) ・信託財産留保額 など |
・投資一任契約に基づく報酬 ・ラップ口座の管理手数料 ・投資信託の運用管理費用(信託報酬) など |
ファンドラップサービスの流れ
ファンドラップを契約するには、サービスを提供する金融機関で口座を開設する必要があります。すべての金融機関がファンドラップを提供しているわけではないので、事前に確認しましょう。口座が開設できたら、投資一任契約を締結し、必要に応じて金融機関に相談しながら運用コースを見直します。
ファンドラップの魅力とリスク・デメリット
ファンドラップには、主に次のような魅力・リスクがあります。
ファンドラップの主な魅力 | ファンドラップの主なリスク・デメリット |
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みずほ証券からの
ひとこと
ファンドラップは、運用から管理・見直し・報告までを証券会社等の専門家に一任できる魅力的なサービスです。投資一任に基づく報酬などの手数料等がかかりますが、自身のゴールやリスク許容度に適した投資信託の組み合わせを考えるのが難しい、資産配分や見直しをプロに任せたいという方に適しています。
一方、投資する投資信託を自分で選びたい、自分の判断で投資配分を決めたいという方は、ファンドラップによらずご自身で運用するのが適しています。自分に合った運用方法を選択することが大切です。