SUMMARY
「グランビルの法則」は、移動平均線と株価の関係を使ったとても有名な法則です。
今回は、グランビルの法則について説明します。
株価チャートのある法則を発見
1960年代に、ジョセフ・グランビルという米国の証券アナリストがいました。
グランビルは統計学の「移動平均法」を株価動向の分析にも利用しようと試み、あらゆるバックテストを行った結果、200日移動平均線が最も信頼できると紹介し、それが「グランビルの法則」の始まりと言われています。
グランビルは、株価チャートに長期投資家の損益分岐点とも言える200日移動平均線を併記すれば、「その200日移動平均線の傾きにより、株価が上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのか、その株価の長期トレンドを知ることができるのでは?」と考えました。
そして、買いどき・売りどきを見極める“8つの基本法則”を唱えました。
グランビルは統計学の「移動平均法」を株価動向の分析にも利用しようと試み、あらゆるバックテストを行った結果、200日移動平均線が最も信頼できると紹介し、それが「グランビルの法則」の始まりと言われています。
グランビルは、株価チャートに長期投資家の損益分岐点とも言える200日移動平均線を併記すれば、「その200日移動平均線の傾きにより、株価が上昇トレンドにあるのか、下降トレンドにあるのか、その株価の長期トレンドを知ることができるのでは?」と考えました。
そして、買いどき・売りどきを見極める“8つの基本法則”を唱えました。
グランビルの法則の基本的な考え方
まず、200日線に対して株価がどの位置にあるのかを考えます。
株価が移動平均線から大きくかい離すれば、その後移動平均線へ収れんします。また、移動平均線に対してしばらく収れんが続くと、再び移動平均線からかい離します。この習性を8つの法則に当てはめたものが「グランビルの法則」の基本概念です。
8つのパターンを判定するときに注目するポイントは2つで、これらのポイントからどのパターンかを判定します。
株価が移動平均線から大きくかい離すれば、その後移動平均線へ収れんします。また、移動平均線に対してしばらく収れんが続くと、再び移動平均線からかい離します。この習性を8つの法則に当てはめたものが「グランビルの法則」の基本概念です。
8つのパターンを判定するときに注目するポイントは2つで、これらのポイントからどのパターンかを判定します。
- トレンド・・・上向きか、横ばいか、下向きか、200日線の方向で長期トレンドをみる
- 相場の行き過ぎ…200日線からの上方かい離を買われ過ぎ、下方かい離を売られ過ぎとして、相場の行き過ぎを推し量る
グランビルの法則「8つの基本法則」
グランビルの法則には、4つの買いパターンと4つの売りパターンがあります(計8つ)。
まずは4つの「買い」パターンです。
①重要な買い信号
移動平均線が横ばい、または上昇している状況で、株価がその移動平均線を上抜けたとき
②押し目買い
上昇中の移動平均線を株価が一時的に下回っても、移動平均線の上昇に変化がないとき
③買い増し
上昇する移動平均線の上方に株価が位置したあと、株価が移動平均線に向かって下落し、移動平均線を割らずに再び上昇したとき
④短期の買い場
移動平均線が下降中でも、株価が移動平均線から大きくかけ離れて下落したとき(一時的に自律反発する公算)
次は4つの「売り」パターンです。
⑤重要な売り信号
移動平均線が横ばい、または下降している状況で、株価がその移動平均線を下抜けたとき
⑥戻り売り
下降中の移動平均線を株価が一時的に上回っても、移動平均線の下降に変化がないとき
⑦売り乗せ
下降する移動平均線の下に株価があって、移動平均線に向かって上昇し、移動平均線を抜けずに再び下落したとき
⑧短期の売り場
移動平均線が上昇中であっても、移動平均線から株価が大きく離れて上昇したとき(一時的に自律反落の公算)
実際のチャートで8つのパターンの出現イメージをみてみましょう。
まずは4つの「買い」パターンです。
①重要な買い信号
移動平均線が横ばい、または上昇している状況で、株価がその移動平均線を上抜けたとき
②押し目買い
上昇中の移動平均線を株価が一時的に下回っても、移動平均線の上昇に変化がないとき
③買い増し
上昇する移動平均線の上方に株価が位置したあと、株価が移動平均線に向かって下落し、移動平均線を割らずに再び上昇したとき
④短期の買い場
移動平均線が下降中でも、株価が移動平均線から大きくかけ離れて下落したとき(一時的に自律反発する公算)
次は4つの「売り」パターンです。
⑤重要な売り信号
移動平均線が横ばい、または下降している状況で、株価がその移動平均線を下抜けたとき
⑥戻り売り
下降中の移動平均線を株価が一時的に上回っても、移動平均線の下降に変化がないとき
⑦売り乗せ
下降する移動平均線の下に株価があって、移動平均線に向かって上昇し、移動平均線を抜けずに再び下落したとき
⑧短期の売り場
移動平均線が上昇中であっても、移動平均線から株価が大きく離れて上昇したとき(一時的に自律反落の公算)
実際のチャートで8つのパターンの出現イメージをみてみましょう。
実際のチャートでグランビルの法則を使う
買い局面における買いパターンの実例です。表中の①から⑧の番号は、グランビルの法則「8つの基本法則」で紹介した8パターンのうち、どれに該当するかを示しています。
実際のマーケットでは①や④の局面で買いのタイミングを計ることは難しく、一度200日線が上昇に転じてトレンドが明確になり、200日線が下値支持線になったことを確認してから、買うと良いでしょう。
したがって、上昇している200日線を一時的に割り込む「②押し目買い」や、上昇している200日線の手前までいったん調整する局面での「③買い増し」が、より有効的な買いのタイミングとなります。
なお、⑧は短期の売りの局面です。
次に売り局面における売りパターンの実例です。表中の①から⑧の番号は、グランビルの法則「8つの基本法則」で紹介した8パターンのうち、どれに該当するかを示しています。
買い局面と同じく、実際のマーケットでは⑤や⑧の局面で売りのタイミングを計ることは難しいと言われています。そのため、200日線が下降に転じてトレンドが明確になり、200日線が上値抵抗線になったことを確認してから売ると良いでしょう。
したがって、下降している200日線を一時的に上回る「⑥戻り売り」や、下降している200日線の手前まで一時的に上昇する局面での「⑦売り乗せ」が、より有効的な売りのタイミングとなります。
なお、④は短期の買いの局面です。
さて、今回は移動平均線を使った売買法則「グランビルの法則」の基本をご紹介しました。
投資において、この法則さえ使えば絶対勝てる!という法則は存在しませんが、いろいろなテクニカル指標を知っておくことで、チャートの動きを多角的に分析することができるようになります。
次回は移動平均線の代表的な使い方である「ゴールデンクロス・デッドクロス」について説明します。
実際のマーケットでは①や④の局面で買いのタイミングを計ることは難しく、一度200日線が上昇に転じてトレンドが明確になり、200日線が下値支持線になったことを確認してから、買うと良いでしょう。
したがって、上昇している200日線を一時的に割り込む「②押し目買い」や、上昇している200日線の手前までいったん調整する局面での「③買い増し」が、より有効的な買いのタイミングとなります。
なお、⑧は短期の売りの局面です。
次に売り局面における売りパターンの実例です。表中の①から⑧の番号は、グランビルの法則「8つの基本法則」で紹介した8パターンのうち、どれに該当するかを示しています。
買い局面と同じく、実際のマーケットでは⑤や⑧の局面で売りのタイミングを計ることは難しいと言われています。そのため、200日線が下降に転じてトレンドが明確になり、200日線が上値抵抗線になったことを確認してから売ると良いでしょう。
したがって、下降している200日線を一時的に上回る「⑥戻り売り」や、下降している200日線の手前まで一時的に上昇する局面での「⑦売り乗せ」が、より有効的な売りのタイミングとなります。
なお、④は短期の買いの局面です。
さて、今回は移動平均線を使った売買法則「グランビルの法則」の基本をご紹介しました。
投資において、この法則さえ使えば絶対勝てる!という法則は存在しませんが、いろいろなテクニカル指標を知っておくことで、チャートの動きを多角的に分析することができるようになります。
次回は移動平均線の代表的な使い方である「ゴールデンクロス・デッドクロス」について説明します。