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基礎からわかる!テクニカル分析入門⑩ 移動平均線かい離率で考える買いどき・売りどき
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基礎からわかる!テクニカル分析入門⑩ 移動平均線かい離率で考える買いどき・売りどき

SUMMARY

「移動平均線かい離率」は、株価と移動平均線がどのくらい離れているかをパーセンテージで示したものです。

今回は、図を用いながら移動平均線かい離率について説明します。

移動平均線について詳しく知りたい方は「基礎からわかる!テクニカル分析入門⑦移動平均線の種類と使い方」をご覧ください。

移動平均線かい離率とは?

移動平均線かい離率は、“株価が移動平均線からどれだけ離れているか”を示しており、急激に上がり過ぎた、あるいは急激に下がり過ぎた株価の反転をねらうときに役立つ指標です。


投資の勝率を上げるためにはトレンドに乗ることが大切ですが、移動平均線をみてただトレンドに乗れば良いというわけではありません。

移動平均線が明確な上昇トレンドを示していたとしても、移動平均線よりも株価が大きく上方かい離(買われ過ぎ)した状態では、そこからの上昇余地も限られるため、下落リスクが高く、買うタイミングとしては好ましくないでしょう。

移動平均線かい離率は、こうした株価の行き過ぎ(買われ過ぎ・売られ過ぎ)を客観的な数値としてチェックすることができます。

エンベロープを使うとかい離率がわかりやすい

移動平均線に対して一定のかい離率(パーセンテージ)を上下に描画したバンド(帯域)のことを「エンベロープ」と呼びます。エンベロープを使うことで、価格とかい離率の推移や売買タイミングがよりイメージしやすくなります。


通常、株価の動きは移動平均線に対して「一定のかい離幅の範囲内で推移することが多い(例:上の図のように価格がおおむね+5%~▲5%で推移しているなど)」と言われています。

エンベロープはバンドの両端付近、あるいはそれを突破した水準をトレンド反転のシグナルの目安である逆張り指標として用いられることが一般的です。基準となる移動平均線は、銘柄ごとやご自身の売買スタイルに合わせて、25日線・75日線・200日線などを使い分けると良いでしょう。

日経平均株価やTOPIXなどの株価指数に比べて、株式の個別銘柄では時価総額の大きさや人気の度合いなどによって、かい離率がどの範囲を上下するかが異なります。個別銘柄で利用する際は、当該銘柄の過去の最大かい離率や最小かい離率などを参考にします。

また、エンベロープを単独で投資判断の指標にするのではなく、RSIやストキャスティクスなどのオシレータ系指標と組み合わせて活用した方が、有効性はより高くなるでしょう。

RSIやストキャスティクスなどのオシレータ系指標については、次回以降の記事で説明します。

エンベロープの活用例

実際のチャートでエンベロープの活用例をみていきましょう。まずは「トレンドが弱いとき」の事例です。


このチャートは、長期線である200日線を中心として、かい離率±12%の範囲で価格が推移しています。

価格の天井圏と底値圏でのかい離率が同程度になっていますが、これはトレンドが弱いときにみられるパターンです。エンベロープからは「200日線を挟んで±12%を上限・下限に上げ下げを繰り返すレンジ相場」ととらえることができるでしょう。

次に「トレンドが強いとき」の事例です。


上のチャートは右肩上がりの上昇トレンドが発生しているケースですが、価格の天井圏でのかい離率が+25%、底値圏でのかい離率が▲10%となっています。天井圏と底値圏でかい離率が異なるパターンは、トレンドが強いときによくみられます。

エンベロープは、中心線の移動平均線に対して上下ともに同じかい離率で推移するとは限りません。トレンドの強さをみたり、過去のかい離率を参考にしたりすることが大切です。うまく使うことができれば、銘柄ごとの上限や下限の“めど”として利用できますので、買いどきや売りどきを考える重要な手がかりになるでしょう。

次回は人気の高いチャートの一つ「ボリンジャーバンド」について説明します。

 

みずほ証券からの
ひとこと

みずほ証券のオンライントレードサービス「みずほ証券ネット倶楽部」の詳細リアルチャートでは、エンベロープを利用することができます。移動平均線の期間変更、エンベロープのかい離率の調整も可能です。ぜひご利用ください。


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