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基礎からわかる!テクニカル分析入門⑨ ゴールデンクロスとデッドクロス
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基礎からわかる!テクニカル分析入門⑨ ゴールデンクロスとデッドクロス

SUMMARY

今回は、投資家の注目度がとても高い「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」を説明します。

注目度が高いだけでなく、重要な買いシグナル・売りシグナルと言われているので、しっかりマスターしておきたい使い方の一つです。

ゴールデンクロスとデッドクロスは、株価チャートの「移動平均線」を使った分析方法です。移動平均線について詳しく知りたい方は「基礎からわかる!テクニカル分析入門⑦移動平均線の種類と使い方」をご覧ください。

ゴールデンクロスとは?

「ゴールデンクロス」は、移動平均線を利用した買いシグナルの一つで、短期の移動平均線が、中期や長期の移動平均線を下から上に突き抜けるケースのことを言います。


クロスした(交差した)移動平均線がともに上昇していれば、より強気なトレンドに転換したことを示唆しています。

デッドクロスとは?

「デッドクロス」は、移動平均線を利用した売りシグナルの一つで、ゴールデンクロスとは逆に、短期の移動平均線が、中期や長期の移動平均線を上から下に突き抜けるケースのことを言います。


クロスした(交差した)移動平均線がともに下降していれば、より弱気なトレンドに転換したことを示唆しています。

ゴールデンクロス・デッドクロスの“ダマシ”

直感的にわかりやすいゴールデンクロスとデッドクロスですが、問題点もあります。

ゴールデンクロスとデッドクロスを見つけるのに使う移動平均線は、平均をとる期間が短ければ短いほど上下の動きが激しくなり、売買シグナルが多く発生する傾向があります。

短い時間軸でみることは短期売買では役に立ちますが、相場のわずかな変動で頻繁にシグナルが変わってしまう“ダマシ”も多いので、注意が必要です。

一方で長期の移動平均線では、ダマシは少なくなりますが、タイムラグが生じて、トレンド転換のシグナルが現れるのが遅くなります。銘柄ごとに相性の良い時間軸を探してみると良いでしょう。

一般的には株価上昇のサインとしてみられているゴールデンクロスも、またその逆のデッドクロスもすべてが絶対的なものではありませんので、過信は禁物です。

チャートでわかるゴールデンクロス

こちらはゴールデンクロスの実例チャートです。


ここでは、短期線を25日線、中期線を75日線、長期線を200日線としています。また、25日線が75日線を上方に突き抜けて交差する局面を「ミニ・ゴールデンクロス」、25日線や75日線が200日線を上方に突き抜けて交差する局面を「ゴールデンクロス」と表現しています。

短期線が中期線を上に突き抜ける「ミニ・ゴールデンクロス」には先行性があるものの、“ダマシ(売買シグナルが出た後に、株価が売買シグナルの示唆する方向と反対に動いたり、逆の売買シグナルが出たりすること)”なども多く、信頼性はあまり高くないとされています。

一方、短期線・中期線が長期線を上に突き抜ける「ゴールデンクロス」は、実際の株価の動きよりもタイムラグがあるものの、信頼性は高いとされています。

今回の例では、長期線がダウントレンド(右肩下がり)であるため、一般的に買いのサインとされているゴールデンクロスも弱めのシグナルとなっています。

ここでは、まず中長期線の傾きでトレンドを確認し、次に短期線で売買タイミングを計ることがポイントであり、複数の移動平均線を使うことが有効と言えるでしょう。

チャートでわかるデッドクロス

こちらはデッドクロスの実例チャートです。


ゴールデンクロスのケースと同じく、短期線を25日線、中期線を75日線、長期線を200日線としています。また、25日線が75日線を下方に突き抜けて交差する局面を「ミニ・デッドクロス」、25日線や75日線が200日線を下方に突き抜けて交差する局面を「デッドクロス」と表現しています。

このケースでは、長期線がダウントレンド(右肩下がり)であり、長期トレンドは下降しています。その中で、「ミニ・デッドクロス」と「デッドクロス」が明確な売りシグナルとなっており、売買タイミングも首尾良くとらえていると言えます。

次回は「移動平均線かい離率」について説明します。  

みずほ証券からの
ひとこと

みずほ証券のオンライントレードサービス「みずほ証券ネット倶楽部」では、株式スクリーニング機能を使ってゴールデンクロスやデッドクロスが発生した銘柄をすぐ見つけることができます。とても便利な機能ですので、ぜひご利用ください。

中村 克彦

中村 克彦みずほ証券マーケットストラテジスト

日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)副理事長
国際テクニカルアナリスト連盟(MFTA)検定テクニカルアナリスト


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