SUMMARY
日々、新規ファンドの選定やモニタリングに臨む諸橋さんの原動力は、「お客さまのより良い未来に貢献したい」という強い想いだと言います。ファンド評価にあたって重視しているポイントや営業店との連携施策、お客さまへの想いを聞きました。
【ファンドプロダクト部 諸橋真季】
年金基金向けの資産運用コンサルティングを経験後、みずほ証券に中途入社。大阪のコールセンターに配属され、受電オペレーターのサポート、応対品質の改善や向上、管理マネジメントなどを担当後、現在ファンドプロダクト部に所属。
高い付加価値を追求するプロ集団としての誇りを持つファンドプロダクト部のメンバー
ファンドプロダクト部の役割と、現在行っている業務内容を教えてください。
- 諸橋:
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ファンドプロダクト部は、投資信託や保険商品の新規組成・選定、モニタリングによる品質管理、企画・管理などを担う部署です。私はファンドリサーチチームに所属しています。新規ファンドのリサーチはもちろんのこと、多くの既存商品を定期的にモニタリング・メンテナンスする業務に取り組んでいます。
新ファンドの選定は、競合ファンドとの比較をチームメンバーと議論することからスタートします。定量・定性面で新ファンド候補として検討に値すると考えた場合、さらに3ヵ月を超える緻密なリサーチを行い、再び当部の評価を議論します。長期間にわたる重層的な選定プロセスを経て、全世界にある数万本ものファンドから、最終的にお客さまにおすすめできる一本を選ぶのです。
ファンドプロダクト部の強みを教えてください。
- 諸橋:
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当部ではメンバー全員がファンド運用と評価に関する専門知識を有しています。複数ファンドを比較する過程で、運用会社ですら気づいていない課題を発見することもしばしばあります。特に近年は部署の拡大に伴い、中途採用や営業店からの異動、みずほ銀行からの出向など人材の多様化が進んでいます。経験年数や、これまでみてきたファンドの視点の違いがナレッジや着眼点に影響を与え、多角的な視点で比較・分析・評価できます。この多様性が当部の強みです。
優れたパフォーマンスを発揮・維持するための、定量×定性評価と厳正なプロセス
ファンド選定時の評価基準を教えてください。
- 諸橋:
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金融市場の動向は誰にも予測できないものだからこそ、私たちは目先の数字や個人的な思考にとらわれず、明確なフレームワークに基づいて評価しています。その基本となるのが運用実績を多角的に分析する「定量評価」と、ファンドの特徴や優位性をつかむための「定性評価」です。私たちは両面から評価していますが、当部で特に注力しているのは後者です。運用会社・運用チーム・運用プロセス等の3つの軸でファンドを評価しています。
優れた運用パフォーマンスを発揮・持続させるためには運用者個人の能力だけではなく、運用会社の経営方針や財務状況、人事制度なども不可欠です。
- 諸橋:
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運用は人の能力やスキルに依存するビジネスなので、自らの業務に対して責任とやりがい等が得られないと投資家と同じ熱量では運用できないでしょう。だからこそ「安定した収益と運用資産残高を有しているか」や「パフォーマンスのアップダウンが人事評価基準に入っているか」などもチェックしています。
さらに、運用チームや運用プロセス等も評価基準の一つです。個人の能力によって高いパフォーマンスを発揮しているチームも時折みられますが、そのような属人的な体制ではメンバーの入れ替えがあった場合、成果に影響します。運用会社・運用チーム・運用プロセス等はそれぞれが相互に関連性を有しているのが理想です。そのため、投資哲学やプロセスの優位性などについても詳細な質問書を出し、運用会社から回答を得ています。
- 諸橋:
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ファンド選定にあたってはこれら3つの基準それぞれについて、強み・弱み・課題を評価し、3×3のマトリックスのような形で議論を進めます。目先の数字だけにとらわれず、深層まで掘り下げて比較・検討できる点と、明確なルールに基づいた選定やモニタリングの実施が、第三者機関からも高評価を得ている理由の一つと考えています。
ファンド選定に影響する、昨今の変化や潮流があれば教えてください。
- 諸橋:
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お客さまニーズの多様化・高度化を受け、定期的な評価基準の見直しやアップデート、商品ラインアップの拡充、柔軟な対応力などを求められているように感じます。代表的な例として挙げられるのが、近年話題になっている「サステナブル・ESG投資」です。少し前まではニッチな分野でしたが、環境問題などに投資家の耳目が集まった結果、世界各国と日本、ともに大きく成長しています。これはあくまで一例ですが、限られたリソースの中でこうした時流を高精度にキャッチアップすることが、お客さま本位の業務運営につながると考えています。
ESG投資とは
環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を考慮した投資手法。企業の環境保護活動や労働環境の改善、経営の透明性などを評価し、持続可能な成長をめざす企業に投資することを指す。
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業務にあたるうえで意識されていることを教えてください。
- 諸橋:
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先入観を持たず、フラットな目線でファンドを評価することです。例えば、一見良いパフォーマンスを出していても再現性が期待できないファンドがある一方、直近の数字が芳しくないものの、それが一過性の場合もあります。つまりベストな商品を見極めるには、フラットな目線でパフォーマンスの継続性を的確に見極めなければなりません。ここで新たな責務となるのが、選定の背景や評価の理由までをお客さまにしっかり伝えていくことです。当部では営業店との連携施策を講じて、対外的に情報を発信できるように努めています。
また、個人投資家の一人でもある私が、そのファンドに投資したいかを考えることも大切です。これは運用チームの評価基準にも関わる部分です。このようなお客さま目線の大切さは、私がコールセンターで勤務していたときに、事務手続から商品紹介、株式の注文に至るまで、お客さまからの多様な要望をお受けした経験が活かされています。そして、当時抱いていた「商品の力でもっと解決できることがあるはずだ」という想いも反映されています。
営業店とはどのように連携しているのでしょう?
- 諸橋:
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いくら厳選したファンドであっても、私たちが選定した意図がお客さまに正確に伝わらなければ意味がありません。先ほどお話した評価の考え方を公表しており、新規ファンドを取り扱う際に、同様の資料を作成して営業店に展開しています。また、既存のファンドに関しても「こういった特性のあるファンドはないか?」「お客さまの保有するファンドのパフォーマンスについて確認したい」など、日々問い合わせが寄せられます。このような疑問や困りごとに対しても包括的にサポートできるよう、ラインアップされているファンドに関してはしっかり頭に入れ、市場の流れや商品の特性を絡めながらフォローしています。
お客さまの資産残高が増加し、長期の資産形成や管理に貢献できたと実感できる瞬間こそ、私たちの喜びです。「ともに挑む。ともに実る。」というパーパスを胸に刻みながら、今後も高品質な商品を選定・リサーチし、お客さまのより良い未来に貢献できる人材をめざしてまいります。