SUMMARY
株式投資において、「順張り」と「逆張り」は基本的な二つの投資手法です。順張りは相場の流れに沿って取引を行う手法、逆張りは相場の流れに逆らって取引を行う手法です。今回は、これら二つの特徴と、関連するテクニカル指標について紹介します。
順張りとは?
順張りとは、株価の方向性(トレンド)に沿って売買を行う投資手法です。基本的には「株価が継続的に上昇している局面(上昇トレンド)で買い、株価が継続的に下落している局面(下降トレンド)で売る手法」です(単純に株価が上昇したときに買って、株価が下落したときに売ることを指す場合もあります)。
しかしながら、順張りはトレンドに沿って売買を行う戦略であるため、天井圏で高値づかみしてしまったり、底値圏で売却してしまったりする可能性があります。
順張りの特徴
順張りは、トレンドがはっきりしている「トレンド相場(上昇トレンド、下降トレンド)」で有効な手法です。トレンドが続いている間は多くの投資家が同じ方向に動く傾向があり、その流れに乗ることで利益が期待できます。しかしながら、順張りはトレンドに沿って売買を行う戦略であるため、天井圏で高値づかみしてしまったり、底値圏で売却してしまったりする可能性があります。
逆張りとは?
逆張りとは、株価の方向性(トレンド)と逆の売買を行う投資手法です。基本的には「株価が継続的に下落している局面(下降トレンド)で買い、株価が継続的に上昇している局面(上昇トレンド)で売る手法」です(単純に株価が下落したときに買って、株価が上昇したときに売ることを指す場合もあります。)。
また、株価が一定の範囲内で上下する「ボックス相場」で有効に機能しやすいのも特徴の一つです。
一方、株価が一方向に動く下降トレンド時は、買った後にさらに下げ続けて損失が大きくなったり、株価が回復するまでに予想以上の時間がかかったりすることがあります。
逆張りの特徴
逆張りは、株価が下がった場面で買い、上がった場面で売るため、割安な水準で購入したり、割高な水準で売却したりする機会を得やすくなります。トレンドと逆の売買をするため、買った後に株価の下落が続いたり、売った後に株価の上昇が続いたりすることもありますが、底値圏で購入できた場合は利益が期待できます。また、株価が一定の範囲内で上下する「ボックス相場」で有効に機能しやすいのも特徴の一つです。
一方、株価が一方向に動く下降トレンド時は、買った後にさらに下げ続けて損失が大きくなったり、株価が回復するまでに予想以上の時間がかかったりすることがあります。
トレンドに合わせて使い分ける
株価の動きには大きく分けて「トレンド相場」と「ボックス相場」の二つのパターンがあり、それぞれの相場で順張りと逆張りを使い分けるのが有効です。
トレンド相場では順張りが有効
トレンド相場とは、株価が一定期間にわたって上昇または下落を続ける相場のことです。このような相場では、一般的に、株価の動きの方向性(トレンド)に沿って取引を行う順張りが有効とされています。トレンド相場における順張りでは、「移動平均線」や「MACD」などのトレンド系テクニカル指標が活用されます。
順張りで活用するテクニカル指標
● 移動平均線:
ある一定期間の終値の平均をつないでグラフ化したもので、右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下降トレンドというように株価の流れやトレンドの方向性を判断するもの
● MACD:
短期と長期の移動平均線の動きを比較することで、トレンドの方向性や売買のタイミングを判断するもの
ボックス相場では逆張りが有効
ボックス相場とは、株価が一定の価格帯の中で上下を繰り返す相場のことです。このような相場では、一般的に、株価の反転を予測して取引を行う逆張りが有効とされています。ボックス相場における逆張りでは、「RSI」や「ストキャスティクス」、「騰落レシオ」など、株価の売られすぎ・買われすぎを判断するオシレーター系テクニカル指標を活用することが有効です。
逆張りで活用するテクニカル指標
● RSI(相対力指数):
相場の過熱感を表したもので、0%~100%の間で推移し、RSIの数値が大きいほど、上昇分の値幅が大きく相場が強いと判断し、反対に数値が0%に近いほど相場は弱いと判断するもの
● ストキャスティクス:
一定期間の高値と安値の値幅に対して、現在の株価がどのくらいの位置にいるのかを数値化したもので、80%~100%で「買われすぎ」、0%~20%で「売られすぎ」と「売りサイン」と「買いサイン」を判断するもの
● 騰落レシオ:
値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って算出したもので、120%を超えると「買われすぎ」、70%を下回ると「売られすぎ」と市場の強弱や過熱感などを判断するもの
関連リンク
みずほ証券ネット倶楽部では、国内株式のスクリーニング機能で順張り・逆張り銘柄を探すことができます。
ネット俱楽部>投資情報>国内株式>株式スクリーニング(検索条件をさらに絞り込む)金融商品取引法に係る重要事項

みずほ証券からの
ひとこと
順張りは市場の流れを味方につけることで安定した利益を狙い、逆張りは相場の行き過ぎを捉えて利益をめざします。一方で天井圏で高値づかみをしたり、底値圏で売却したりするケースもあります。どちらの手法も、さまざまなテクニカル指標を活用しながら、自分の投資スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。