ポートフォリオは複数の資産の組み合わせですが、一足飛びにご自身に合ったポートフォリオを組むことは難しいでしょう。ここでは、五つのステップに分けて、ポートフォリオを作るまでの過程を紹介します。
1. お金を色分けする
投資には元本割れのリスクがあります。ご自身のお金を「生活に必要なお金」「近い将来に確実に使う予定のあるお金」「当面使う予定のないお金(余裕資金)」に色分けし、余裕資金で運用を始めましょう。
2. 投資の目的と期間を明確にする
次に、投資の目的と、目的達成までの目標期間などを明確にしましょう。
例えば、老後資金の準備なら長期的な運用、子どもの教育資金準備なら大学入学年に向けた運用、住宅購入資金なら数年後のマイホーム購入に向けた運用といったように、投資の目的によって、選ぶべき商品や投資金額、投資する期間、銘柄の配分などが異なります。
3. 自身のリスク許容度を把握する
次に大切なのが、ご自身のリスク許容度を把握することです。リスク許容度とは、どれだけの価格変動に経済的に耐えられるかという度合いのことです。
リスク許容度は一概に測れるものではありませんが、判断する際の要素として、年齢・家族構成、収入・資産状況、投資経験・金融リテラシー、精神的な耐性などがあります。
インターネット上では、リスク許容度を無料で診断できるサービスが提供されているため、一度やってみてもよいでしょう。
4. アセットアロケーションを行う(資産配分を決定する)
ここまでの整理が完了したら、アセットアロケーションを行います。
投資は、商品(株式、投資信託、債券など)や個別の銘柄によって、期待リターン、リスク、必要資金などが異なります。ご自身の投資目的やリスク許容度などに応じて、余裕資金をどの商品にどのくらいの割合で投資するのかを決めます。
5. ポートフォリオを作る(銘柄を決めて購入する)
資産配分が決まったら、具体的に銘柄を決めて購入します。
ご自身の投資目的やリスク許容度などに応じて、どの銘柄を購入するのかを決めます。
ここでも一つの銘柄に絞り込むことなく、複数の銘柄に分散することが重要です。
とはいえ、ご自身の投資目的やリスク許容度と個別銘柄をひも付けていくのは、なかなか難しい作業でしょう。まずは比較的リスクの低い債券などに投資するのも一つの方法ですし、投資のシミュレーションなどを行ってみるのも有効でしょう。
ポートフォリオは作って終わりではなく、定期的な見直しが重要です。ここでは、見直しのタイミングをいくつか紹介します。
価格の変動による見直し
株式や投資信託などの投資商品は、市場の変動に応じて価格が変動します。価格の上下に応じて、保有している商品・銘柄を売却するか保有を継続するかなどの判断が求められます。また、一つの資産が値上がり・値下がりを続けたり、一部の資産を売却したりした場合、ポートフォリオ全体の資産配分の割合が想定と異なる状態になることもあります。個別銘柄の上下だけでなく、ポートフォリオ全体がご自身の希望する割合になっているのかも定期的に確認するようにしましょう。
ライフイベントによる見直し
ライフイベントに応じて、最適なポートフォリオは変わってくるでしょう。結婚、出産、住宅購入、子どもの進学、転職、退職など、人生の節目ではリスク許容度や投資目的が変わるからです。例えば、退職が近づいてきたら、リスクの高い株式の比率を下げ、安定性の高い債券の比率を上げるなどの調整が必要になることもあるでしょう。
Q. ポートフォリオの確認は、どのくらいの頻度ですべきですか?
A. 少なくとも年に数回は、ポートフォリオ全体の割合がどのようになっているのかを確認するようにしましょう。また、結婚、出産、住宅購入、退職などのライフイベントが発生した際も見直しを行うとよいでしょう。